ウ 追加の請求(賃金台帳の改竄)
- 原告は,令和元年11月5日付準備書面(1)・16頁・第3予想される争点ならびに争点に関連する重要な事実・第5項・第4号・8)で既に述べているとおり,原告の出勤日数の記録と賃金台帳の出勤日数が合わない。
- 当該準備書面にはつぎのとおり記載している。
「なお,勤務日数の被告の齟齬および錯誤は,原告の記録によれば,つぎのとおりである。なお,原告の記録では,通常勤務の勤務日数に日曜特訓の出勤日追加して9月に1日,10月に3日,それらを含めて記載している。日曜特訓の手当につき,10月分は未払いである。
原告の記録 離職票(甲9の1) 監督署(甲13の3)
3月 22日 17日
4月 16日 17日
5月 22日 20日
6月 26日 26日
7月 25日 15日
8月 23日 23日 21日
9月 24日 22日 24日
10月 29日 27日 22日
11月 1日 0日 1日」
- 精査したところ,つぎのとおりであった。
a 監督署(甲13の3)と記載がある列は,シフトの日数である。
b 離職票の列は,東京労働局総務部からの開示資料の賃金台帳と一致する。
c 記載した原告の記録に誤記があることがわかった
上記の点を修正して,表を作成すると,つぎのとおりである。
原告の記録 賃金台帳 シフト
3月 17日 17日 14日
4月 17日 17日 15日
5月 22日 20日 20日
6月 26日 26日 26日
7月 23日 15日 15日
8月 23日 23日 21日
9月 24日 22日 24日
10月 29日 27日 22日
11月 1日 1日 1日
- 問題点は以下のとおり
a 3月,4月,6月,8月及び11月は,いまのところ問題がないので削除した。
b 一方で,シフトより出勤日数が多い月はあるが,少ない月はない。したがって,5月は2日分,7月は8日分,9月は2日分及び10月は2日分がそれぞれ,賃金台帳から削除されている。
- そこで,原告の出勤日数の記録は間違いがないと思うので,できるだけ既に提出している書証で,賃金台帳では欠勤になっている日に出勤していたことを立証できないかつぎのとおり考えた。
- 10月16日(火)は,染矢氏が原告に対して,平成30年10月15日に「おはようございます。ブース表は一週間分用意しました。今日はオリエン終わったら,別教室に移動するかもです。」と伝えている(甲22の1)ということは,原告は,10月16日(火)から1週間出勤する予定であると考えられる。賃金台帳(甲74の14)では,原告は10月16日(火)が欠勤になっているが,出勤している。
- 10月23日(火)は,原告は染矢氏に対して,平成30年10月24日に「おはようございます。昨日は急に帰ってしまい申し訳ありませんでした(以下略)」と伝えている(甲22の2)ということは,原告は,10月24日(火)は出勤している。既に原告の準備書面(3)10頁4)で述べているとおりである。
- そうすると,10月の出勤日数の2日の差異がなくなった。したがって,前記のとおり,これまでは賃金台帳は改竄がない前提で計算してきたが,追加して請求しなければならなくなった。すなわち,この2日間は,勤怠が不明であるから,便宜上平均賃金で請求する。
- 同様に,9月27日(木)は,出勤している。「講師ト」及び「講師リ」に対して代行指導を手配している(甲33,甲35)からである。
- したがって,改竄もしくはデータが消えた又は消されたことによって賃金台帳から削られている勤怠は,平成30年5月10日及び12日,同年7月16日ないし18日,23日ないし26日及び30日,同年9月10日及び27日,同年10月16日及び23日であり,それぞれ平均所定労働時間の6.25時間を勤務したとみなして,別表2の1の1に入力し,一部その他の改竄部分も修正した。
- したがって,未払賃金はつぎのとおり(平均賃金×日数分),
5月 2日分 金2万3,258円
7月 8日分 金9万3,032円
9月 2日分 金2万3,258円
10月 2日分 金2万3,258円
14日分合計16万2,806円
- そうすると,本件有期契約では,年間105日以上を休日とするとの所定休日が定められているから,平成30年3月ないし10月の間に105/12×8=70日が所定休日となる。
- 賃金台帳の改竄がなければ,77日休みがあったことになるが,14日分の出勤が改竄されていたから,同年10月の出勤日のうち25日ないし31日(7日分)をそれぞれ休日出勤したとみなして,別表2の1の1に入力した。
- 別表2の1の1に入力後,再計算の結果,割増手当は金6万7,059円から金10万2,181円になり,差額が金3万5,122円生ずるのでこの請求分は平成30年10月分として請求します。
- したがって,原告は被告に対し,金23万3,050円及び内金2万3,258円に対する平成30年6月26日から,内金9万3,032円に対する同年8月26日から,内金2万3,258円に対する同年10月26日から,内金5万8,380円に対する同年11月26日から支払済みに至るまで年6分,内金3万5,122円に対する本判決確定の日の翌日から支払済みに至るまで年5分の各割合による金員及び付加金の支払いを命ずるご判断を求めます。なお,この請求は前記のとおり,第1第4項に加えて請求します。
(つづく)